Situation |
港に船がいる。二人の子供がいる。
どうしてもそれに乗り込まなくてはいけないのだが、どうしてものりこめない。 荷物の陰に隠れても見つかってしまう。誰かの家族を装っても、ばれてしまう。 「どんなことしても絶対に乗るんだからっ」女の子は隣の男の子の手を取った。 老婆に出会う。 「私たち、あの船に乗らなくてはならないの」「それならおばあさんが一緒に乗ろう」なぜか、すんなりと乗り込むことができた。 ラウンジで、老婆が飲み物を差し出す。「疲れているだろう。これをおのみ」二人は飲み干した。「さぁ。のんだらおやすみ・・・」最後まで聞くことなく、二人と老婆は眠った。 それから彼らが寝覚めることはなかった。 |