◆下肢静脈瘤治療の種類
弾力ストッキングによる圧迫療法
弾力ストッキングには静脈瘤発生の予防と進行の抑制作用があります。 病的に拡張した皮下静脈には血液が溜まり、その分だけ足が太くなっています。 そこで、弾力ストッキングにより足全体を程よい強さで圧迫し、 静脈瘤の進行を防ぐのが圧迫療法です。 静脈内に貯留した余分な血液は減り、深部静脈の流れ(還流)が促進され、 下肢全体の血液循環が改善されます。 弾力ストッキングは普通のパンティストッキングやソックスに比べて圧迫力が強く、 上に行くほど圧力が弱くなるように作られています。
ストリッピング
100年も前から行われている手術です。 大伏在静脈や小伏在静脈を引き抜き 更に小皮膚切開を加えて残った瘤を切除します。 局所麻酔、大腿神経/伏在神経ブロックのもとに静脈麻酔下に少しウトウトした状態で手術します。 日帰りの手術を原則とします。傷はほとんど目立ちません。
硬化療法歴史は古くギリシャ時代から始まり、 近年薬剤の発達もあり見直された方法です。 直接静脈瘤に硬化剤を注入しペチャンコにする方法です。 硬化剤として高張食塩水(糖液)も用いられますが ポリドカノール(ポリドカスクレロール)が痛みもなく良好な結果を得やすいようです。 この方法だけでは、太い静脈瘤の場合再発し易いため、 伏在静脈が深部静脈に流入する部分で結紮を加えます。(図参照) |
ラジオ波(高周波)治療
2014年6月より新しく健康保険適応となった治療です。 静脈に細い管(カテーテル)を入れて静脈を内側から焼灼して閉塞させる方法です。 従来のレーザーと比べて静脈の閉塞率が高く、 より短時間かつ、痛みや炎症が少なく済むとされています。 詳しくは、「下肢静脈瘤ラジオ波(高周波)治療とは」を参照ください。