◆下肢静脈瘤とは

静脈が怒張したものや浮き出ているものを静脈瘤といいます。
大きく4タイプに分類されます。
  1. 伏在静脈瘤型(大伏在静脈瘤と小伏在静脈瘤があり最も大きい
  2. 側枝静脈瘤型(伏在静脈瘤の次に太い)
  3. ?網目状静脈瘤(直径1?以下)
  4. くもの巣状静脈瘤(さらに細かい)

◆下肢静脈瘤の症状

静脈瘤を認めても全く症状のない方もいますが多くの場合次のような症状があります。
  1. 腫れやむくみがある。
  2. 足が重い、だるい。
  3. 足にほてりがある。
  4. 足の筋肉がつる。(いわゆる「こむら返り」)
  5. 足にかゆみや湿疹がある。
  6. 色素沈着がある。
  7. 鬱血がひどくなると出血や潰瘍も生じます。

◆静脈瘤のでき易い人

静脈瘤は圧倒的に女性に多く、加齢、遺伝、妊娠・分娩、ホルモン分泌、あるいは立ち仕事と関係していると云われます。 日本では、30才以上の男女の60%には何等かの静脈瘤を認めるとされます。

あしの静脈の構造

あしの静脈は深いところを走る深部静脈と 皮膚表面近くの表在静脈に分けられます。 表在静脈はくるぶしの傍らから下腿大腿の内側を通り あしの付け根で深部静脈に合流する大伏在静脈と アキレス腱部より上行し膝の裏で深部静脈と合流する小伏在静脈に大別されます。 他に表在静脈と深部静脈を結ぶ多くの交通枝(穿通枝)があります。

血液が心臓に戻ることを静脈環流といいますが、 この静脈還流には静脈の内側にある逆流防止弁が大切です。 立位で生活している人間はこの弁により足の鬱血を抑制しています。

静脈瘤の多くは表在静脈(大伏在静脈・小伏在静脈)の弁が壊れて生じます。 弁が正しく働かないため弁の下方に血液が逆流し血管拡張を生じ、 さらに下部の弁に弁不全を来し、数珠つなぎに静脈瘤を認めることとなります。